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奥中康人『幕末鼓笛隊 ―土着化する西洋音楽―』

幕末・戊辰戦争のころに生まれ、以来、各地域で継承されてきた鼓笛隊について、丁寧に論証された本です。
時代劇でおなじみの、維新マーチなどが奏でられるあの鼓笛隊ですが、「官軍」の鼓笛隊といったドラマのイメージと違って、幕府側にも新政府側にもありました。

地域の伝統芸能だという発想から、西洋音楽であるにもかかわらず、スネアドラムでなしに和太鼓、リコーダーでなしに篠笛が寄付されるという、善意の勘違いもあったようです。そのとき、間違いを訂正するのではなく、和太鼓を使って続けるという自由さを、著者はこれも生きた継承の在り方として、受け入れようとします。

音楽についても、歴史についても、かなり本格的に論考された本です。演奏法や鼓譜などの詳しすぎるところは、正直ついていけないので読み飛ばしました。

心に残ったのは、「継承」とは何かを考える、著者の姿勢です。
「幕末維新期に起源をもつ鼓笛隊が、紆余曲折を経ながら現在も活動を続けているということは、まだ生きている証拠であり、それゆえ変化はどうしても避けられない」
「歴史的な正統性や同一性を主張するよりも、はるかに重要なことが存在している」

調査を続けながら、全国各地の鼓笛隊の実態に触れて、柔軟に考えを変化させていく著者の考え方に、この人も生きた学問をしているのだと思いました。



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