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北京オリンピックで日本チームの400mリレーを見たとき、まるでひとりの人が疾走しているかのような、流れるようなバトンの受け渡しに感激しました。
テレビで放送されるたびに、飽きずに眺めていました。

そのあと佐藤多佳子のノンフィクション『夏から夏へ』を読んで、とってもおもしろくて感動したという記憶があったので、この本は北京オリンピックのときのことを取材して書いたものだったように錯覚していました。
著者は陸上青春小説『一瞬の風になれ』の作者です。

今回のオリンピックでさらに若い世代のチームが400mリレーで銀メダルを獲得したことで、ひさしぶりにこの本のことを思い出しました。
あの心地よい読後感をまた味わいたい、前回の銅メダルのときの記録を読み返したい、と思って手に取ってみました。

結果、私の記憶がまちがっていて、この本に書かれていたのは、その前の年の世界陸上大阪大会のときのことだとわかりました。
そのあと同じメンバーが北京を目指していくのですが。

出版されたのは2008年の7月で、オリンピックの前の月です。
登場する選手たちの活躍がさらに次の世代の選手たちに引き継がれていくことを示唆するような結びは、現在からみると「予言」のようにも思われます。

私が読んだのは白い表紙の単行本でしたが、今は文庫本も出ているようです。



佐藤多佳子『夏から夏へ』


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芸術・スポーツ | コメント(0) | 20160823224715 | 編集

幕末・戊辰戦争のころに生まれ、以来、各地域で継承されてきた鼓笛隊について、丁寧に論証された本です。
時代劇でおなじみの、維新マーチなどが奏でられるあの鼓笛隊ですが、「官軍」の鼓笛隊といったドラマのイメージと違って、幕府側にも新政府側にもありました。

地域の伝統芸能だという発想から、西洋音楽であるにもかかわらず、スネアドラムでなしに和太鼓、リコーダーでなしに篠笛が寄付されるという、善意の勘違いもあったようです。そのとき、間違いを訂正するのではなく、和太鼓を使って続けるという自由さを、著者はこれも生きた継承の在り方として、受け入れようとします。

音楽についても、歴史についても、かなり本格的に論考された本です。演奏法や鼓譜などの詳しすぎるところは、正直ついていけないので読み飛ばしました。

心に残ったのは、「継承」とは何かを考える、著者の姿勢です。
「幕末維新期に起源をもつ鼓笛隊が、紆余曲折を経ながら現在も活動を続けているということは、まだ生きている証拠であり、それゆえ変化はどうしても避けられない」
「歴史的な正統性や同一性を主張するよりも、はるかに重要なことが存在している」

調査を続けながら、全国各地の鼓笛隊の実態に触れて、柔軟に考えを変化させていく著者の考え方に、この人も生きた学問をしているのだと思いました。



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芸術・スポーツ | コメント(0) | 20160809224616 | 編集
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